金正日のおねだり外交編集する 2010年05月04日18:49

金総書記 5日北京で首脳会談か

http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1197563&media_id=4

 北朝鮮の慢性的貧困財政が、先日のデノミによる経済の混乱によって一層、悪化したため、中国の経済的援助と、金正日が自ら北京に向かったに違いない。

 北朝鮮には戦前日本が残した鉱山があって、南北朝鮮の独立時には南の韓国より現金収入が多かった。しかし、今では北朝鮮金正日が独裁する「主体(チュチェ)思想」と「先軍政治」によって、国際社会からの孤立の度合いを深めるばかりで、国民生活が困窮している。
朝鮮戦争開戦時からの南北朝鮮の一人当たりの国民所得の推移
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/8903.html
 
 独裁政治と言えば、シンガポールも数十年間同じ人物が國のトップに立ち続けているが、こちらは見事な経済的繁栄をみせている。独裁政治ではあったが、経済的な繁栄を追求したために、シンガポールの一人当たりのGDPは日本のそれを上回るまでに上昇した。このことは、独裁によって経済成長が妨げられている北朝鮮のような國がある一方、逆に、経済的繁栄を見せた國があることを意味する。
 北朝鮮と同様に社会主義國、中国が2000年に入った頃から急速に経済成長を見せた背景に、海外に対する市場の改革開放政策や、日本などの先進国の企業が工場を持っていた周辺国の賃金高騰がある。東南アジアや韓国、台湾に工場を持っていた企業が、より安い労働力を求めて、中国に工場を造ろうと、中国に対して多額の対外投資を繰り返した。これが中国の急成長の要因である。
 北朝鮮に必要なことは「チュチェ思想」を放棄し、労働市場を世界に開くことによって、外貨を稼ぐことだ。自主自立だけで豊かさが得られないことは、比較的大きな国内市場を有するブラジルを除くと、多くの発展途上国が輸入代替化を断念した過去の事実から容易に分かる。にもかかわらず、チュチェ思想を止めない現政権は無能であるとしか言いようがない。
 それにとどまらず、国際社会の再三の警告を無視して核実験を行ったり、魚雷で韓国の哨戒鑑を沈沒させたりしている。国際社会はもっと強い態度で現政権交代を迫らねば無いのではないだろうか。