国際的な標準化(国際化)について(漢字、英語)

 国際的な標準化(国際化)とは何だろうか。
 漢字は東アジアの共通語だ。中国、台湾、日本では多く使われる。韓国でも、1970年からの民族主義教育が始まる前の教育を受けた人たちまでは漢字が読めるという。本来、現代韓国語の70%が漢字を元とした言葉となっているとも言われるため、日本語と同様、同音異義語が多く存在する。そのため、韓国語の理解のために漢字に対する理解も必要なはずだ。ベトナムでは現在、チュノム文字を廃し、アルファベットで綴っているが、多くの漢語がすでに広まっているという。
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 以上のような現状から、漢字が東アジアにおいて避けて通れないことが分かる。
 現在、漢字は台湾、香港、マカオ、韓国で使用されている繁体、日本で使用されている略字体、中国大陸、シンガポールで使用されている簡体がある。
 このうち、簡体の使用人口はその他を併せたものよりも大きい。現に、人口の2000万人ほどしかない台湾人にとって、大陸の簡体でかかれた書籍は非常に重要なため、国内で簡体の教育も始める要望があるそうだ。
 とはいえ、台湾で繁体によって教育を受けた台湾人にとって、簡体は日本人が簡体を見たとき同様、「略しすぎだろう」「ここまで略されると読めない」という印象を禁じ得ない。 
 また、コンピューターの時代となった今、同じ意味を表す漢字を同一のUnicodeにすれば、形が違っても同じ意味の漢字を、読み手の使う文字で画面上に表示されるようになり、意思疎通が容易になる上、ただでさえ、数の多い漢字が使用するUnicodeを減らすことが出来る。画面上にどう表示されるにせよ、同じ意味の漢字が同じコードで登録される日が来ることを願っている。
 これと同様に、国際化の標準をどこにするかというのが問題になるのが英語だ。
 英語はイギリスの旧植民地を中心に世界中で母国語にされたり、地域の共通語として使われている。しかし、その英語は決して一つではない。単語の意味、頻度、文法、発音などがどこでも全く同じと言うことは決してない。これらの国では、独自に英語が確立しているため、シンガポールをのぞいては別の国の英語に併せようという動きはあまり活発でないようだ。
 ラテン語が各地で独自の変化を遂げ、現代ではスペイン語、イタリア語、フランス語、ポルトガル語ルーマニア語などの国語となっているように、英語も各地で変化している。つまり、英語はイギリスが本家本元であることは間違いないが、現代の英語と昔の英語が同一では決してない。現在イギリスでは語尾のrを発音しない人が大半だが、本来、アメリカ人のように語尾のrも発音していた。かといって、アメリカ英語のように語中のtをl、tnをnのように発音して話していると、ノンネイティブの人には伝わりにくくなることがかなり多い。言うまでもなく、インドやフィリピンのように、現地の発音に併せて発音するのはその地域では伝わりやすいが、世界の誰でも理解できる発音ではない。現に、英語を公用語にする国の首相でも、私は何を言っているのか全く理解できなくなってしまうような人もいる。
 世界の共通語とする英語は、ヨーロッパでかつてラテン語が共通語とされたように、昔のものが基本であり、便利だ。